ものづくり改善ネットワークは…
全国各地で活躍し、あるいは孤軍奮闘する、地域ものづくり改善の指導者(たとえば改善インストラクター、改善コンサルタントなど)の皆さん、および地域のものづくり改善活動や指導者育成を支援する自治体、地域金融機関、NPO等の皆さんに、知識共有の場所としくみを提供することを目的に、2013年6月に設立された団体です。設立発起人は、東京大学ものづくり経営研究センター(MMRC:2003年〜)で「ものづくりインストラクター(R)養成スクール」などを通じて地域ものづくり振興のお手伝いをしてきた藤本隆宏、新宅純二郎、福田隆二で、本当に少数でのスタートでしたが、徐々に仲間はを増えつつあります。
まずは、気楽に集まれる場所を作るのが先決と考え、千代田区六番町のビルの一階の一角にオフィスを構えました。四ッ谷からも市ヶ谷からも近く、都心でありながら緑豊かな閑静な地域で、春には土手の桜を見ながら歩いてくるだけでもリフレッシュになります。打ち合わせに使えるミーティングスペースの他、数十人の集まりが可能な会議室もあります。
こうしたものづくりネットワークに対して、潜在ニーズが大きいことは確信していましたが、予想以上の反響をいただきました。地域インストラクタースクール関係者の情報交換会、上京時の情報収集の拠点(要するにお休み処)として会員の皆様にご利用いただくほか、改善インストラクター予備軍の皆様への導入教育講座(ものづくりシニア塾)、ものづくりに関する情報提供、地域産業振興に関わるセミナー開催など、いろいろ企画してまいります。多くの方のご賛同、ご支持、ご参加をお願いいたします。
潮目は変わりつつあります。
あれこれ苦労してきた日本のものづくり現場も、今はある種の「夜明け前」状態にあると私は思います。過去20年ほど、不況、円高、賃金20分の1の中国他新興国とのグローバル競争、デジタル化による設計競争優位の喪失、本社や国の戦略ミスなど、史上最大の厳しいハンディキャップを背負って、散々な目に合ってきた地域のものづくり現場は、それでもあきらめずに能力構築を続け、生産性を2年で3倍、5年で5倍など猛烈に高め、それでも閉鎖されたところはあったものの、多くは生き残ってきました。しかし、潮目は変わりつつあります。新興国の賃金高騰で日本との賃金差が縮小しつつある今、能力構築を続けてきた優良現場が次の20年に生き残れる可能性は、過去20年に比べれば、ずっと高まるはずです。地域全体で協力して生産性を高め、私たちの子供たちの生活水準を高めていくチャンスが来ています。
今やるしかありません。
地域で奮闘しながらも孤立感のある改善指導者や改善NPO等の皆さん、地域産業振興に行き詰まりを感じている自治体の皆さん、上から中小企業振興活動を指示されたがどう動いてよいのかよくわからない地域金融機関や事業者団体や組合の皆さん、定年後は地域で改善指導者として生きていきたいがどこから手を付けてよいか分からないという現場のベテランの皆さん、これらの方々の声を反映させて国の政策立案をしようと考えるお国の様々な役所の皆さん、まずは我々が恒久的な場所を作りましたので、来てみてください。
この考え方に賛同される方々は、個人・団体・自治体を問わず、カンパのつもりで会費を払って「ものづくり改善ネットワーク」の会員(MKN会員)になってください。入会方法はMKN会員のページをご参照ください。そして、この場所で、このネットワークで、何ができるか、何をすべきかを、どんどんご提案ください。まずは皆さんのレスポンスをお待ちします。
(一社)ものづくり改善ネットワーク 代表理事 藤本 隆宏
早稲田大学大学院経営管理研究科教授
東京大学名誉教授
代表者略歴
1979 東京大学経済学部卒業、三菱総合研究所入社
1984 ハーバード大学ビジネススクール博士課程入学
1989 博士号取得
1989 ハーバード大学研究員
1990 東京大学経済学部助教授
1996 リヨン大学客員教授、INSEAD客員研究員
1996 ハーバード大学ビジネススクール客員教授
1997 同大学上級研究員
1998 東京大学大学院経済学研究科教授
2002 日本学士院賞/恩賜賞受賞
2004 ものづくり経営研究センターセンター長
2013 一般社団法人ものづくり改善ネットワーク代表理事
2021.3 東京大学定年退職
2021〜 早稲田大学大学院経営管理研究科ビジネス・ファイナンス研究センター教授/東京大学名誉教授
主要著書:『製品開発力』キム・クラークと共著,ダイヤモンド社,1993/『生産システムの進化論』有斐閣,1997/『サプライヤーシステム』西口敏宏、伊藤秀史と共編著,有斐閣,1997/『成功する製品開発』安本雅典と共編著,有斐閣,2000/『トヨタシステムの原点』下川浩一と共著,文眞堂,2001/『ビジネス・アーキテクチャ』武石彰・青島矢一と共編著,有斐閣,2001/『生産マネジメント入門(I)(II)』日本経済新聞社,2001/『能力構築競争』中央公論新社,2003/『日本のもの造り哲学』日本経済新聞社,2004/『中国製造業のアーキテクチャ分析』新宅純二郎と共編著,東洋経済新報社,2005/『ものづくり経営学−製造業を超える生産思想−』東京大学ものづくり経営研究センターと共編著,光文社新書, 2007/『日本型プロセス産業』桑嶋健一と共著,有斐閣,2009/『ものづくりからの復活〜円高・震災に現場は負けない』日本経済新聞出版社,2012/『「人工物」複雑化の時代』編著,有斐閣,2013/『ものづくり成長戦略――産・金・官・学の地域連携が日本を変える』柴田孝と共編著,光文社新書2013/『ホンダ生産システム』下川浩一らと共著,文眞堂,2013/『現場主義の競争戦略−次代への日本産業論−』新潮社新書2013/『ITを活かすものづくり』朴英元と共編著,日本経済出版社2015/『日本のものづくりの底力』新宅純二郎、青島矢一と共編著,東洋経済新報社2015/『建築ものづくり論』野城智也、安藤正雄、吉田敏と共編著,有斐閣2015/『ものづくりの反撃』中沢孝夫、新宅純二郎と共著,ちくま新書2016/『ものづくり改善入門』監修(一社)ものづくり改善ネットワーク編,中央経済社2017/『現場から見上げる企業戦略論』角川新書2017,『工場史』編著,有斐閣2024
役 員
代表理事 藤本 隆宏 (早稲田大学大学院経営管理研究科教授/東京大学名誉教授)
理事/事務局長 福田 隆二
理事 高橋 研造
監事(非常勤) 猪瀬 敏明 (弁護士)
一般社団法人ものづくり改善ネットワーク
〒102−0085 東京都千代田区六番町6 勝永六番町ビル1F
(03)5210-2561 FAX(03)5210-2560
Mail:admin@mkn.or.jp
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